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人はどう見るのか – 錯視と主観的輪郭

私たちは自分の目で見たモノをそのまま認識していると思いがちですが、実はそのまま認識している訳ではなく、多少変換された上でモノを認識しています。以下の図を見てみてください。

 

カニッツァの三角形

 

黒い円の上に白い三角形が重なっているように見えると思います。
しかし、実際には白い三角形が描かれている訳ではなく、パックマンのようなくぼんだ黒い円が3つあるだけなのです。これはカニッツァの三角形と言われる錯視図形の1つです。

なぜこのような事が起きるのかというと、くぼんだ黒い円がこのような形で並ぶというのは自然界では考えにくく、白い三角形が上に重なる事で黒い円を隠している事の方が確率的に高いと脳が瞬時に判断しているからです。
つまり、人間は過去に学習した情報から最適だと思われる結果を見たものに当てはめようとするという事です。

このように人間は欠けた情報を補完した上でモノを認識します。この効果を心理学では主観的輪郭と呼ぶそうです。情報を補完した結果、間違った認識をした時に錯視が起こったりします。

実際に見ているのは目でなく脳

色錯覚が起こる立方体

上記の図1は光が当てられた立方体ですが、実は上面と前面の中心にある茶色のタイルは同じ色になっています。
これが同じ色に見えないのは、影が当たっている部分に光が当たった時により明るくなる筈だと無意識のうちに脳が計算しているからです。

目は光センサーの役割をしているだけで、実際には脳に送られた情報で知覚します。
そのため、実は目が見えない場合でも脳に情報が送られれば視覚皮質が活動し、結果として「見る」と同じ現象が発生するだろうと考えられています。

錯視効果を利用したデザイン

錯視広告 - Garnier fructis -

これはロレアルが展開するヘアケアブランド「Garnier fructis」が出した広告です。
一見すると長いヒゲの生えた男性が立っているように見えますが、よく見ると女性が後ろ向きで立っている事が分かります。このようなトリックアートは話題性もあるため、芸術や広告の世界で多く利用されています。

主観的輪郭を利用したデザイン

Jigsaw logo

これはJigsaw Productionsという会社のロゴですが、文字が欠けている部分を脳が無意識のうちに補完して文字として読む事ができると思います。
このようにタイポグラフィの世界では主観的輪郭を利用したデザインが多く存在します。

主観的輪郭の様々サンプル

https://jp.pinterest.com/anuncommonname/bigger-bolder/

まとめ

主観的輪郭により人は過去の経験則や馴染みのあるものを元に補完してモノを認識します。逆に言えば、人それぞれ違う見方をするので、表現の仕方次第では期待している通りに認識してもらえない可能性があります。
また、錯視効果は上手に使えば面白みのあるコンテンツを作る事ができますが、アプリケーションなどのインターフェースにおいてはユーザーを困惑させる可能性があるため、錯視効果が発生しないように工夫する必要があると思います。

参考